家の購入を考え始めた頃は夢が膨らみ、これからの家族との楽しい生活を想像して、ワクワクしますよね!
ただ、多くの方は家を建てる時に一括払いではなく、「住宅ローン」を借りることになるのではないでしょうか。
住宅ローンを決めるときには、誰もが「この金額なら返済できる!」と考えて、家の購入を決めますが、数年立つと状況が変わって後悔することも…。
- 「余裕で返せるはずだったのに!」
- 「思ったより教育費が!」
これから初めて家の購入を考えている方は、購入した後「住宅ローン以外」にどんな費用が増えるのか気になりますよね?
実際に家を建てて20年以上経ち、今でも払い続けている「アパート暮らしより増えた費用」など、我が家の例を具体的にご紹介していきます。
家を購入してアパート暮らしよりも増えた費用とは?
家を購入した後は予想以上に出費が増えました!
新しい新居に合わせた家具や家電、カーテンなどの家財道具一式を揃える費用は準備していましたが、実際に新居に暮らし始めてからの出費の読みが完全に甘かったとしか言いようがありません…。
我が家の計画の甘さをお披露目するのはお恥ずかしい限りですが、これから家を購入される方が予算を考えるときに多少なりともお役に立てるのではないかと思いますので、よければ参考にして下さいね。
家を購入する時は、購入後のライフプランもある程度予想し、今後の出費予定も予算に入れてから、どれくらいなら住宅ローンの返済に回すことができるのかを真剣に考えるべきでした。
いまアパート代に7万円払っているから、住宅ローンも7万円まで大丈夫!
と思ったあなた!本当に大丈夫ですか?
- 現在アパート暮らしの方
- まだお子さんが小さい方
- これからご家族が増える予定の方
- ペットの購入を予定している方
など、1つでも該当するものがあれば、間違いなく今後の出費は右肩上がりに増えていきます。
我が家が住宅ローンの支払いに苦労したのは、夫の会社の不景気が引越し後10年の間に3回も来て家計収入激減の時期があったことが一番大きかったのですが、もう一つの原因は大学受験絡みの教育費です。
高校までとは出費金額が1ケタ違います!
おまけに浪人して予備校代が必要になり、さらに急遽、学費が高い学校へ行きたいと言い出して…(泣)
我が家は完全に予算オーバーになり、予定外でしたが老後資金のことも考えて、結局子供に奨学金を借りてもらうことになりました。
また、ライフプランの変化だけでなく、ただ家を持つというだけでずっと払い続けることになる費用が沢山あります。我が家が実際に家を建て、アパート暮らしの時よりも増えた出費一覧はこちらです。
- 1.固定資産税(年1回)
- 2.浄化槽保守点検費用(年1回)
- 3.浄化槽清掃料金(年1回)
- 4.浄化槽法定検査(年1回)
- 5.町内加入費
- 6.町内会費(年1回)
- 7.火災保険
- 8.地震保険(年1回、又は数年に1回)
- 9.家財保険(毎月払い)
- 10.水道料金(2ヶ月に1度支払い)
- 11.電気料金(毎月払い)
- 12.ガス料金(毎月払い)
こちらは、数年後に増えた税金です。
- 年末調整の税の戻りが減少
- 固定資産税の増加(数年後から少しずつ減少)
他にもライフプランの予定変更で増えた費用もありました。以下で、さらに具体的に説明します。
固定資産税(家・土地)
家と土地の両方にかかります。大きな家であればあるほど税金が高くなると思いますが、土地の固定資産税は、住んでいる場所によりかなり違います。
大まかには、国土交通省のWEBサイト「土地総合情報システム」で確認することもできますが、我が家のように田舎の市街化調整区域に家を建てる場合は、検索しても情報が登録されていない場合もあります。
大きな金額になりますので、ぜひ購入前に住宅メーカー等に確認してみて下さい。
都市部は地価が高いので土地の固定資産税もかなり高いのですが、我が家のように田舎のさらに市街化調整区域の土地になると、発展していく見込みが低いため、土地の価値が低く税金は安くなります。
固定資産税(土地のみ)の一例を上げると、
- 地方の都市部で土地50坪=固定資産税 約50万円/年
- 地方の田舎で土地約110坪=固定資産税 約3万/年(市街化調整区域・我が家です)
※変動あり
1年で約47万円も固定資産税(土地のみ)に差があります。
これが毎年続くので都市部に建設予定の方は維持費がかなりかかりますね。
東京などの大都市はさらに税金が高いので、我が家はとても暮らせません…。
但し、土地の税金が安いからと言って、市街化調整区域の土地は一概にオススメできません。
将来売りたい時に土地の価値が低く、交通の便が悪いことが多いため、なかなか売れないというデメリットがあるからです。
我が家の場合は夫が田舎の土地持ち農家出身だったため、新家として家を建てる場所が始めから市街化調整区域と決まっており、選択の余地なしでした…。
※参考記事>>>「田舎に家を建てると後悔する!?長年暮らして良かった点・悪かった点とは?」
浄化槽関係費用
浄化槽のない地域であれば、関係のない費用です。
但し、浄化槽がないということは下水道が通っている地域ですので、浄化槽関係費用が不要な代わりに、水道代に上水道代・下水道代があり、我が家よりも水道代が高くなるはずです。
家に浄化槽があると、下記3つの費用が毎年必要になりますので、年間の予算に組み込むべき必要経費となります。
【我が家の金額例】
- 浄化槽保守点検費用(年1回)
7人槽の浄化槽で、約13,000円
- 浄化槽清掃料金(年1回)
約29,000円
- 浄化槽法定検査(年1回)
口座引落は500円引きで、5,500円
浄化槽関係だけで、年間約47,500円が必要に。
町内関係
町内会に加入するときに必要な費用です。
その土地に住む以上、田舎では加入しないというのは中々難しいです。
理由は、
- 町内にゴミを出せなくなり、自分で居住地域のゴミ焼却場に持っていくことになること
- 子供がいれば子供会の行事に自分の子供だけ参加できない
- 町内の街灯は町内会費から出ており、お金を払わないとなると他の町民から苦情も出て自分たちが暮らしにくくなっていく
からです。
災害時などは、やはり町内での助け合いが不可欠となりますので町内会への加入は必要経費と考えるべき費用ですね。
- 町内加入費
こちらは、引っ越しをして最初のみかかる費用ですが、参考までに。
我が家は、町内会に入るのに15万円必要でした!びっくりです。
すぐお隣の地域では35万円も必要だそうです。
家を建てて物入りの時に、このお金は本当に痛い出費でした。 - 町内会費(年1回)
地域によって異なりますが、我が家の場合はアパート時代の約5倍の12,000円。
※参考記事>>>「土地選び後悔!長年暮らしてわかった家を建てる場所の選び方」
住宅用各種保険関係
家を購入すると加入が必要となるのが火災保険などの住宅用各種保険。
我が家は公庫で住宅ローンを申し込みしたため、万が一火災が起きた場合、ローンの完済を補償する火災保険に強制加入となりました。
すべての保険に共通しますが、保険料は各家庭でどのような補償内容を選択するかによって大きく費用が変わるため、加入前にしっかり確認して下さいね。
以下、我が家が今も加入している保険です。
我が家は、住宅ローン申込時に一括で35年分・当時で約30万円払いました。
今は35年一括払いは廃止になってしまい、最長10年分までしか一括で払えないようです。
我が家のような35年分の金額に換算するとトータル金額がもう少し高くなるかもしれません。
我が家は住宅ローン申込時に地震保険には加入しませんでした。
数年後、公庫特約火災保険加入者宛に地震保険の加入案内が届き、大震災が起きた後だったので、やはり加入しておこうと思い、途中から加入。
保険料が上がると言われた年の前年に5年毎支払いに変更し、金額は5年払で約10万円。
(年間 約20,000円積立中です。)
次回、保険料が下がるのがわかっていれば、年払いに変更してまた翌年から数年払いにするかどうか様子を見る予定。
マイホーム購入後に家財の保険に加入していなかったことに気付き、途中から加入。
家財保険が必要と思った理由は、我が家の場合、火災保険は万が一の時に保険がおりても、住宅ローン返済に当てられ、自分の手元には全くお金が入ってこないから。
また、公庫の火災保険に加入している人は他の火災保険に追加で加入することができなかったため、家財保険に加入することにより、少しでも不足している補償額を補填しようと加入しました。
ただ、大きな地震が多かったため、どんどん保険料が上がっていき、毎月約9,000円程払っています。
(年間にすると、約9,000×12回=約108,000円です。)
アパート暮らし時の約2倍になった水道光熱費
家を建てる前は、お金を貯めるために2DKの小さなアパート暮らしで、「シャワー・追い焚きなし」の小さな正方形のお風呂付き。今思うと、「よく我慢したなぁ」と。
冷静に考えれば、お風呂の大きさも部屋の数も倍以上に増えるということは、水道光熱費が確実に増えるということに気が付くべきですよね?
若かりし頃の私は、そこまでの想像力が働かず、注文住宅が完成して生活してから気が付きました。
(情けない…)
昔に戻って今の自分の知識を教えてあげたい。(泣)
アパート時より、風呂釜に溜める水の量が約2倍になり、水道料金が約2倍に。
今は年間約42,000円
アパート時より、部屋の数が大きくなって数も増え、各部屋で蛍光灯やエアコンを使用するため、電気代が約2倍に。
今は年間約120,000円
アパート時より、風呂釜に溜める水の量が2倍になったことにより、その量を沸かすためのガス代も約2倍~3倍に。続けて入浴しないと余分に追い焚きするのでさらにガス代が増加します。
今は年間約150,000円
数年後に負担が増えた税金
家を購入した後、しばらくは「住宅ローン減税対象期間」があったため、夫の年末調整時に税金が戻ってきたのですが、数年後、減税がなくなって通常の税額に戻りボーナスの手取りが減った気分になりました。
住宅ローン減税対象期間終了後、所得税・住民税の控除がなくなり、年末調整時の税の戻りが数万円少なくなりました。
私はここまで頭が回っていなかったので、減税期間終了後、最初の年末は「どうして年末調整時の戻りがいつもより少ないのかな。」とガッカリ。
また、固定資産税にも軽減措置の期間があったのですが、こちらも数年後、固定資産税が通常の税額に戻り、税金が急増した気分になりました。
固定資産税も軽減措置期間があったのですが、こちらも私は頭が回っていなかったので、軽減措置期間終了後、最初の4月に来る固定資産税が急に数万円増加してショックを受けたのを覚えています。
教育費やペット費用など
家を購入した頃は、まだ子供も小さくて教育費はそれほど負担にならなかったのですが、小学校に入った頃、周りの子供達がそろばん・サッカーなど様々な習い事を始めるようになりました。
我が家も本人がやりたいといったものは色々経験させた方が子供の将来の引き出しが増えると思い、習い事を始めました。
小中高など、習い事・塾の教育費
当時の習い事の金額は以下の通りです。
- そろばん・空手・サッカーなど
⇒約3万円/月(年間で約36万円)
友人宅は小学校の習い事とは別に、さらに中学1年生から高校3年生まで塾に行ったので
- 中学3年間の塾代(個別指導と集団指導の合計)
⇒ 約150万円/3年間 - 高校3年間の塾代(個別指導と集団指導の合計)
⇒ 約250万円/3年間 - 合計 400万円/6年間(友人宅)
※我が家は中学・高校の6年間で約50万円
また、我が家も友人宅もお互い浪人をすることになったため、上記の金額以外に
- 予備校代(浪人のため)
⇒ 約150万円/年
が必要になりました。
このお金は学資保険とは別で、しかも
大学受験費用とは別に必要となってくるお金
なので、本当に要注意なお金となります。
そして、最後にやってくる大きな教育費が大学受験費用とその後の諸費用。
我が家も友人宅も浪人をしていたので受験費用が「現役時代+浪人時代」で2倍必要となりました。(泣)
ペットを飼い始める
他にも出費が増えた理由が、ペットを飼い始めたこと。
小型犬なのですが、
- 毎年かかる予防接種
- 毎月のエサ代
- 消毒液
- トイレシート代など
で我が家の場合は年間80,000円程お金がかかりました。
その他にもトリミングに連れていったり、旅行時にペットホテルへ預けると店舗によって異なりますが、我が家の場合は
- 小型犬トリミング
⇒ 1回約5,000円(1~2ヶ月ごと) - 小型犬ペットホテル
⇒ 1泊3,500円
も年間8万円のペット費用とは別で必要となりました。
子供が7歳のときから飼い始め、約16年間、家族として過ごすことができました。
約16年間で必要となった費用を大まかですが計算してみると
- 年間8万円✕16年=128万円
- トリミング5,000円✕年6回✕16年=48万円
- ペットホテル3,500円✕4泊✕年2回✕16年=44.8万円
16年間のペット関係費用合計 220.8万円
我が家はまだ少ないほうです。
- ペット保険
- 医療費(すぐ1万円札が飛びます)
- 服やリード、ペットフードにこだわる
- 犬用マッサージ
- 競技参加
その他こだわりポイント
などにもお金をかけているご家庭もありますので、我が家より遥かに高額になっていると思います。
ペットを飼うということは、かなりの長期間一緒に生活をしていくことになるので、教育費と同様にペット費用を予算に組み込んでおくことをオススメします。
大物家電買い換え他
長年生活していると、前述したもの以外にも様々な出費が必要になります。
例えば、
- 子供が大きくなるにつれ、食費や観光時の料金UP
- 車の買い替え
- 家の修繕費
- 大型電化製品の買い替えなど
想像以上に生活費が増えていくので、家の購入を考える際には、20年から30年先の大きな出費も視野に入れておかないと、かなり苦しい家計に変わってしまいます。
ちなみに、我が家は家を建てて20年以上になるので、
- 3箇所の部屋の照明器具(約3万円)
- 冷蔵庫(約18万円)
- 洗濯機(約8万円)
- エアコン4台(約60万円)
- 給湯器(約24万円)
- テレビ(約10万円)
が途中で壊れて買い替えました。
家電だけでなんと約123万円も出費です!
(家電ではないですが、各部屋のカーテンや車も買い替えました。)
まだ、ガスコンロや水回りの修理をしたことがないので、いずれ買い換える日が来ると思います。家って本当にお金がかかる~(泣)
家の購入後に増加する出費にも目を向ける
これから家を購入しようと考えている方へ。
我が家のように、甘い計画で住宅ローンを借りることのないよう、家の購入後に増える具体的な出費内容にもぜひ目を向けて下さいね。
実際に、我が家が家を購入後に増えた出費項目をまとめると
- 固定資産税(年1回)
- 浄化槽保守点検費用(年1回)
- 浄化槽清掃料金(年1回)
- 浄化槽法定検査費用(年1回)
- 町内会費(年1回)
- 町内加入費(加入時のみ)
- 火災保険(住宅ローン借入時に35年一括払い)
- 地震保険(5年に1回)
- 家財保険(毎月払い)
- 水道光熱費(アパート時代の約2倍)
- 減税期間終了後、税負担増加
(所得税・住民税・固定資産税は通常税額に)
家に関するお金ではないけれど、将来の大きな出費として考えておく費用
- 子供の習い事や塾などの教育費(特に大学関係!)
- ペットの生活費
- 車の買い替え費用
- 家の修繕費
- 大型家電製品の買い替え費用
- 老後資金
- (介護費用一部)
3人家族でこれだけ負担が増えました。子供の人数が多ければ、さらに教育費が増加しますので、購入前にしっかり将来設計をし、後悔のないマイホーム購入をして下さいね。
この記事がこれから住宅を購入する方にとって少しでもお役に立つことができれば幸いです。
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