注文住宅で家を建てる時は、色々なことを決めていかなければならず、本当に悩みますよね。
我が家も、住宅会社の方から「キッチンの高さはどうされますか?」と聞かれた時に、
キッチンの高さって変更できるの?!
と驚いた覚えがあります。
キッチンの高さなんて関係ある?
と侮るなかれ。
毎日料理をしたり、食器を洗ったりと食事にまつわる色々な作業をこなす場所なので、想像以上に肩や腰への負担がかかります。
我が家は最終的にキッチンの高さを85cmに変更しました。
そう決めた理由と、20年ほど使ってみて使い心地はどうだったのか、感想も含めてご紹介していきます。
キッチン高さ80cmが低くて使いづらかった理由
家を購入する前は、質素なアパート暮らしで、その当時のキッチンの高さは床から80cmでした。
私は身長が約160cmあり、立った状態で肘までの高さが約95cmありますので、キッチンの高さと肘までの高さの差が15cm。
野菜を切る時には厚みのあるまな板を置いて、多少は高く調整することが可能でした。
ただ、食器を洗う際は、シンクや水道の蛇口位置が低いため、どうしても前かがみで作業せざるを得なくて。
洗い物が多い時は、だんだん腰が痛くなってきて、膝を曲げて自分の身長を低くしたりして作業していたので、かなり使いづらく、とてもキッチンが低く感じました。
その為、家を購入する際には、キッチンの高さは80cmより高い85cm以上が良いと考えていました。
キッチンの高さを85cmに決めるまでに試したこと
家を建てる際に初めてキッチンの高さが変更できることを知り、自分にとって使いやすい高さを決めるために、住宅会社のモデルルームへ行きました。
モデルルームでキッチンの高さを決めるために、私が実際に試したことは、
- スリッパに履き替える
- キッチン前で肘を曲げてみる
- キッチン作業台で料理時を再現
- ガスコンロ使用時の高さ確認
おもに上記4点。
それぞれ具体的にどの様に試したのかを以下にご紹介します。
スリッパに履き替える
モデルルームにどんな靴を履いていくかは、最重要ポイントと言っても過言ではありません!
理由は、
実際に料理をする際に「何を履いているか?」で自分の背の高さが変わるから
もし底の厚い靴やヒールの高い靴でモデルルームへ見学に行き、現地にスリッパがない場合、
キッチンの高さ感覚が実際の作業時と異なってしまう
ため、せっかくの見学会が台無しになってしまいます。
私の場合は、いつも昔ながらの室内用スリッパを履いて料理をします。
現地にも自分が履くのと同じようなスリッパが用意されていたので、実際の家で料理をするときと同じ感覚でキッチンを見学することができました。
実際に料理時と同じキッチンの高さを確認するためにも、現地でスリッパを履けないときのことを考えて、必ずヒールのない、靴底が薄めの靴で見学に行くことをオススメします。
キッチン前で肘を曲げてみる
キッチン前で食材を包丁でカットする時のように肘を曲げた時、
- 肘がキッチンの高さより下になったり
- 肘がキッチンの高さと丁度同じ
高さになった場合、間違いなくキッチンの高さが高すぎます。
これでは、毎日肩肘張って料理をすることになりますので、その高さより低いキッチンを選んだほうが、毎日の作業が楽になると思います。
私の場合は、床から肘までの高さが約95cmある状態で、アパートのキッチン80cmがとても低くて作業しにくいと感じていました。
その為、次の標準の高さとなる85cmか90cmのどちらかがちょうど良さそうな感じと判明。
キッチン作業台で料理時を再現
私が見学に行ったモデルルームは、丁度キッチンの高さが85cmだったので、実際にキッチン作業台に自宅で使用している高さ3cmの木製まな板を置いたと仮定して料理をする時の疑似体験ができました。
キッチンの高さが85cmの場合、厚み3cmのまな板を置いたとしても
肘までの高さ95cm-(キッチンの高さ85cm+まな板の厚み3cm)=差7cm
になり、私の場合は、肘までの高さ95cmよりまだ7cm低いためちょうどよい感じ。
逆にキッチンの高さを90cmと5cm上げた場合は、
肘までの高さ95cm-(キッチンの高さ90cm+まな板の厚み3cm)=差2cmだけ
となり、南瓜などの硬いものを切るときや高さのあるスイカやメロンなどをカットする時に包丁の位置が高すぎて、背伸びをしてカットする感じです。
一般的な食材をカットする際も、肘までの高さとの余裕が少ないので、包丁での作業時に肩が上がってしまい、毎日の作業が苦痛になってくるのではないかと感じました。
ガスコンロ使用時の高さ確認
私が家を建てた当時は、電気式コンロではなく、ガスコンロが主流でした。
その為、ガスコンロ作業時の使い勝手はどうなるか、フライパンを持ったときを想像しながら、高さ確認をしてきました。
私が行ったモデルルームにあったガスコンロで調理する際には、キッチンの作業台の高さ85cmよりも「五徳の高さ」約4cm分が高くなって約89cmの高さに。
また、その上にフライパンや鍋を置くことになるので更に作業台よりも高い位置に取っ手がくることがわかりました。
イメージとしては以下の通りです。絵心がなくてスミマセン(汗)
もし90cmのキッチンを選ぶと、「五徳の高さ」約4cm分が高くなって約94cmの高さとなり、床から私の肘までの高さ95cmとあまり変わらない状態になってしまいます。
また、コンロを使用する時には五徳の上にフライパンやなべを置くので、取っ手の位置が更に高くなり、完全に
自分の肘までの高さ95cmより高くなるので、かなり調理しにくい
と判断し、最終的にキッチンの高さは85cmを選びました。
毎日キッチンを利用してみた感想
注文住宅に暮らしはじめて20年余りになりますが、実際に高さ85cmのキッチンで、食器洗いや食材カット、ガスコンロ調理をしてみると、
私には85cmで丁度よかったかな。
というのが正直な感想です。
私の場合は、厚底のスリッパではなく、普通のスリッパを履いているので、快適な高さになったのだと思います。
もし普段から家の中で「健康スリッパ」や「ダイエットスリッパ」を履く方は、実際よりも背が高くなるので、身長にあった最適サイズを選んでしまうとキッチンでの作業がやり辛くなります。
実際に私が厚底のダイエットスリッパ(底がカーブしているもので5cm程背が高くなるもの)を履いたことがあるのですが、キッチンの位置がとても低くなってしまい、作業がやり辛くなって、結局普通のスリッパに戻しました。
そのため、厚底のスリッパなどをキッチンで履く予定の方は、キッチンの高さを少し高めにした方が洗い物の時に腰を曲げなくて済むので、作業が楽に感じると思います。
ただ、厚底のダイエットスリッパは、若い頃はバランスを崩さずに上手く履けるかもしれませんが、50代60代以降になった時にも厚底スリッパが履けるかを考えると、履けないかも…。
今アラフィフの私ですが、普段の靴でもヒールのあるものや厚底の靴は足が疲れてしまうので履かなくなりました。
キッチンは、何十年と毎日作業する場であり、頻繁にリフォームできるものでもないので、個人的には
高めのキッチンは、年齢と共に合わなくなってくる可能性のほうが高い
と感じます。
家を買う「今」の自分の状態だけでなく、長い目で自分を客観的に見て最適なキッチンの高さを選ぶことができると良いですね♪
余談ですが、私の夫は還暦を迎えており、健康診断で毎年背が縮んでいて、結婚して20年以上になるのですが、すでに4センチほど小さくなってしまいました…(汗)
私もあと数年後から背が縮むのでしょうから、高めのキッチンにしなくて本当に良かったとつくづく思います。
余談:キッチン設備について
キッチンに取り付ける水道は、シャワータイプに切り替えができてホース付きの引き出せるタイプがとても便利です。
理由は、
- シンクの隅々まで水をかけることができる
- 大物洗い時にシャワーを引き出して水の出る部分を動かせる
(重たい中華鍋など)
から。
引き出し可能なシャワータイプは本当に使いやすく、選んで大正解でした!
また、システムキッチン下の収納部分も扉タイプより引き出しタイプのほうが奥のものまで引き出して見たり、出し入れが簡単にできるのでとても便利ですよ。
実際に暮らし始めると、キッチンの収納方法の不便さに気がつく部分が出てきます。
今のシステムキッチンは引き出し式が多く、かなり広々しているタイプが多いので、フライパンラックなどを使って収納すると毎日の作業がとても楽になります。
我が家が実際に選んで使いやすかったフライパン収納をご紹介した記事もありますので、よければあわせてご覧くださいね。
・参考記事>>>「フライパン収納!仕切りラックで出し入れが簡単に!【キッチン片付け】」
\実際に購入したフライパン収納/
キッチンの高さは実際の作業時を想像して選ぶ
家を建てる時には、毎日数時間作業する場所になるキッチンをどう選んでいくかも重要なポイントですよね。
実際に暮らしてみて、キッチンの高さ選び等で注意したほうがいいと思ったことをまとめると
- 身長に最適な高さではなく、キッチンで作業する時の「スリッパの高さ」も考慮する
- キッチン前で「肘を曲げた時の高さ」と「キッチンの高さ」との差に注意(体への負担が変わる)
- キッチンに取り付ける水道は、引き出し可能なシャワータイプが便利
- キッチン下の収納部分はスライド式の方が物の出し入れがしやすくて便利
これから住宅購入を考えている方にとって、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
【その他記事】
⇒「フライパン収納!仕切りラックで出し入れが簡単に!【キッチン片付け】」