注文住宅で家を建てる場合は、かなり自由な設計をすることができますよね。
その中でも階段の設置場所について
「廊下階段」がいいのかな?「リビング階段」がいいのかな?
と結構迷う人が多いのではないでしょうか。
私も間取りを考える際に迷いましたが、我が家はあえて廊下を作り、廊下経由の階段がある間取りにこだわりました。
この記事では、我が家が廊下経由の階段にした理由など、実際に長年暮らしてみてわかったメリット・デメリットも含めてご紹介しています。
注文住宅を建てる際に悩んだ階段の位置
我が家は注文住宅で家を建てる際、間取りの参考にしようと色々なモデルハウスの見学に行きました。
その時に1階の間取りでよく見かけたのが、
1階に和室と繋がっている壁のない広々としたリビングがあり、帰宅後には家族がリビングを通って階段で2階に上がっていく、吹き抜けのあるおしゃれな間取り
確かに素敵な間取りでしたが、
家族との団らんの場所も確保しつつ、各個人のプライベート空間も確保したい!
と考えている私には、
なんだかオープン過ぎてかえって落ち着かない空間
という印象を受けました。
その為、実際に家を建てる時、我が家の階段は廊下経由にし、リビングとはきっちり分けた間取りに。
実際に暮らしてみてわかったリビング階段にした場合と廊下階段にした場合の違いをお伝えします。
階段の設置場所で変わる毎日の生活音など
階段の設置場所が「リビング経由」と「廊下経由」それぞれの場合で、どんなことが気になってきたのかを具体的にご紹介します。
1)2階に聞こえる1階の物音や話し声について
モデルハウス見学に行った時と、階段がリビング経由になっているお友達の家に遊びに行った時に感じたことですが、リビング階段がある場合、思った以上に1階の音が2階によく聞こえました。
例えば、
- 食器を洗っている音
- テレビの音
- 子供がおもちゃで遊んでいる音
- ペットの鳴き声
- 1階で話している会話内容
ザワザワしている環境が気にならない人は、毎日上記のような音が2階にいて聞こえる状態でも全く問題が無いのかもしれません。
会話内容が2階によく聞こえるので、子供が小さい頃に子供の遊んでいる様子が2階で用事をしている際に聞こえる分には良い環境です。
ただ、逆に
リビングでの夫婦の会話も2階にいる子供に聞こえる
ということ。
会社の悩みや子育ての悩みなどをリビングで話し合う際には、よく言葉を選んで聞こえても問題のない内容の話しをする必要がありますね。
私の場合は静かな環境のほうが好きなので、
テレビの音や話し声がいつも聞こえてくる環境はうるさく感じてしまい、リビング経由で階段がある間取りは自分には合わない
と思いました。
実際家を建てる時には、我が家は廊下経由の階段にしたので、
リビングのドアを締めていれば2階にいても1階のテレビの音は聞こえないので、うるさくてストレスになると感じたことは今の所ありません。
また、子供が小さい時はリビング学習でしたが、思春期以降になると受験勉強の時期がやってきて、
本人が2階の自分の部屋で集中したい時が出てくるので、テレビの音などが聞こえない静かな環境になる廊下経由の階段は正解でした。
ただ、リビングで犬を飼っているので、犬の鳴き声だけはかなり大きな声の場合は聞こえます。
それでも、きちんと世話をして散歩もしていれば、「寂しい・お腹が空いた・運動したい」という犬のストレスもあまり溜まらないので、成犬になってからはほとんど鳴くこともなく、今では気にならない状態です。
また、私も2階でプライベートな時間を過ごしたい時には、
リビングのドアだけでなく2階のドアも閉めてしまえば、とても静かな環境の中で集中して読書ができ、自分だけの快適な時間を作ることができる
ので静かな環境が好きな私の場合は廊下経由の階段にして本当によかったです。
2)冷暖房の効き具合について
まだ注文住宅で家を建てる前の冬に「リビングが吹き抜けになっていてリビングに階段」があるお友達の家へ遊びに行ったときのことです。
1階と2階を仕切る壁がないため、暖房をつけても熱が階段から2階へ逃げていき、1階の部屋ががなかなか暖まらない状態でした。
よくある大型ショッピングモールのように、1階リビングから2階の部屋のドアがグルっと見渡せる間取りです。
天井も高くなっており、LDKと和室をあわせて40畳ほどあるかなり広々としたリビングだったので、
これは冷暖房費がかかりそう。節約したい私にとっては、合わない間取りかも。
と感じました。お友達自身も
階段はリビングの外にして、リビングと和室は壁で仕切り、リビングの吹き抜けはやめておけばよかった。冷暖房費が結構かかるわ。
と後悔していました。
また、床暖房をつけていると、家全体が魔法瓶のような作りになっているのでちょうどいい感じに暖まるそうですが、
ガス代が3倍位高くなってしまったから、結局は節約のためにエアコンとこたつを併用するようになった。
とも言っていました。
我が家は、リビングと和室は廊下を挟んだ独立した間取りになっており、リビングだけ使うときにはドアを締めて、冷暖房はリビングのみに。
また、階段も廊下経由なのでリビングから2階に熱が逃げることもなく、無駄な冷暖房費を使わずに済んでおり、冷暖房費を節約したい私にとってはリビング経由の階段にしなくて正解でした。
ただし、建築業者さんに聞いたところ、小さめの家で、吹き抜けになっているLDK部分が20畳程の場合は、1階で冷暖房を使用するだけで2階まで空気が循環し、2階天井にファンをつけておけば家全体に冷暖房が行き渡る場合もあるそうです。
その為、リビングに階段があり吹き抜けになっている間取りでも、小さめの家の場合は一概に冷暖房費用が高くなるとは言えないようです。
3)2階への料理の匂いについて
リビングに階段があるお友達の家へ遊びに行った際、リビングで食事をした後に2階に案内され感じたこと。
リビングと2階の空間がつながっている状態だと、料理の匂いがかなり2階にも漂う
という点。
ご飯ができるのを待っている人には、料理の美味しい匂いが2階に漂ってくると食欲が湧き、楽しみになりますよね。
しかし、体調の悪いときなどは料理の匂いで気分が悪くなるときもあります。
リビングに階段を作ったお友達自身も
- リビングに階段を作ったから1階と2階に壁がないので、換気扇を回していても家の中で焼肉をしたり、魚を焼いたときは2階まで匂いが充満する
- 翌日起きた時に結構匂いが気になってしまい、家中のカーテンを洗ったことがある
- あとが大変だから、家で匂いの強い料理やテーブルでホットプレートを囲んで食べる料理が面倒になってしまった
と言っていました。
階段が廊下にある我が家もリビングで「吸煙タイプ」の焼肉プレートを使って焼き肉をする時がありますが、2階とはつながっていないので、リビングのみニオイ対策をしています。
吸煙タイプの焼肉プレートについてご紹介した記事はこちらです。
※参考記事>>「吸煙ファン付きの焼肉プレートでお家焼き肉!良い点・悪い点を本音レビュー!」
具体的な我が家の焼き肉のニオイ対策は
- リビングのドアを締めて換気扇を回しながら食事をする
- リビングのカーテンなど布製品の匂いが気になる場合のみ、寝る前に消臭剤をかけて終了
布製品に消臭剤をかけておくと、翌朝起きたときリビングに焼肉の匂いはほとんど残っていません。
また、廊下経由の階段にしたので、「2階まで焼肉の匂いが気になり、不快」になることもありません。
家中に料理の匂いが翌日まで残っても気にならないのであれば、おしゃれなリビング経由の階段でもいいとは思います。
私はどちらかといえば匂いが気になる方なので、廊下経由の階段にして正解でした。
4)来客時、家族の帰宅時の動線について
リビング階段があるお友達が「ストレスになっている」と言っていたことが他にもあります。
それは、
急な来客で、リビングにお客様がいる時
だそうです。
家族全員が知っている仲の良い方の来客なら気にならないのかもしれませんが、そんなときばかりではないですよね。
お友達がリビング階段にして、来客時に感じた具体的なストレスは主に以下の3つだそうです。
- 他の家族にとって顔を合わせたくない来客時でもリビング経由しか2階に行けない
- 思春期以降の子供にとっては、1階のお客様との会話が2階の部屋にも聞こえるため気が散って勉強に集中できない
- お風呂の出入り時にもわざわざリビングを通らないと2階と1階を行き来できないので、入浴しにくい
我が家は廊下経由の階段にしてあり、玄関やリビングからは階段が見えない状態なので、急な来客時にホッとしたことは
- 急な来客があったとしても、他の家族は気にすること無く2階と1階を行き来することが出来る
- 汗をかいた部活帰りの子供が玄関から直接自分の部屋がある2階へ荷物をおいてからお風呂場を行き来できる
などの利点がありました。
また、来客時に限らず、廊下経由の階段であれば、リビングで食事中の家族がいても、運動後の独特な臭いがリビングに入ってこないので迷惑にならずに済みました。
階段の設置場所をどこにするかは、各ご家庭の生活スタイルや好みで変わりますが、プライペート空間重視の場合は、我が家のように「廊下階段」にされることをオススメします。
階段の設置位置は生活スタイルに合わせよう!
これから間取りを決める方に伝えたいことは「階段の位置で、家の居心地がかなり変わる」ということです。
モデルルームのような広々としたリビング階段がある間取りは、確かにおしゃれで、家族団らんの場所になりますが、私のように静かな環境を好む方にとっては、ストレスになる可能性もあります。
家の間取りは、暮らし始めて気に入らなければ変えればいいと思っても、現実はなかなか変えることができません。
たかが階段、されど階段です。
ご家族のライフスタイルや好みによって、リビング階段がある方が適している場合もあれば、廊下階段の方が適している場合もあるかと思います。
メリット・デメリットを知った上であなたにとって最適な間取りが完成しますように!
この記事が、これから家を建てる方にとって少しでもお役に立てれば幸いです。
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